ルールの方が間違っているんじゃない?と思ったら
- 柳澤 達維

- 7月16日
- 読了時間: 2分

社外役員にとって、なぜ不祥事が起こるか、を知っておくことは非常に有益です。
コンプライアンスレベルで触れた、「③利益・業績など、どうしても大事なことのためには不正をしてもいい」というレベルの不正の中には、ルール違反のペナルティ(=動機の牽制として有効)を軽視する「ルールが過剰だ、ルールが間違っている」というケースがあります。
品質不正の不祥事の中には、こういった動機の牽制を無効化されることが原因の一つとなっていることが少なくありません。
では、なぜそのような「ルールが過剰だ、ルールが間違っている」ということが起こるのでしょうか。
そもそも、ルールを作る際には、「こういうことが起こらないように」という想定される事態があります。よくあるのは、何らかの不祥事が起こった際の再発防止として、「こういうこと」を定義して、その防止策としてルールが作られる場合です(筆者もこういう経験が多々あります)。
しかし、厳密に同じ事態だけをカバーしようとすると、似たような不祥事を防止できません。また、悪意がある人は「抜け穴」を探します。そうすると「抜け穴を塞ごうとして」より広い範囲や厳しい基準を設けようとする傾向があります。例えばインサイダー規制でも例示を列挙しながら最後に「第9号から前号までに掲げる事実を除き、当該上場会社等の運営、業務又は財産に関する重要な事実であつて投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの」(金商法166条)というようなキャッチオール条項を付けることがあります。
そうすると、実際には悪いことをしていないのに「ルール違反」になってしまうことがあります。ルールを作る人は、なるべくこのような過剰な規制を少なくしようと思うのですが、抜け穴を探す人との攻防は、時に延々と続きます。
では品質不正につながる「ルールが過剰だ、ルールが間違っている」と思ったときにどうすればいいかというと、手順を踏んで「ルール違反」とならないような手続きを取るべきです。例えば、ルール制定時に例外をしっかり作り込んでいくことも考えられますし、例外の網羅が難しければ、例外審査のルートを作っておくことも考えられます。なによりも、技術革新による合理化などのインセンティブのためにも、ルールの見直しを少しでも容易にすることも重要です。ルール策定時の経緯を明確に残し、状況がどのように変わったらどのように修正できるか明らかにしておくことも有益だと思います。



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